TVカメラ調査の新技術

断面形状測定装置の開発

はじめに

下水道管内の扁平率等の検査を目的として、レーザ光を用いた 三角測距計と回転鏡を組み合わせることによる高精度かつ高速な断面形状測定装置の開発に取り組んでいる。現在行なわれている検査方法として、管内に測定部を直接接触させる方法や、管内に投影したレーザ光を撮影し、それを画像解析に掛ける方法などがあるが、これらは測定精度が安定しない、必要となる手間が多い等の問題を抱えている。そこで、単一のセンサで高精度かつ高速に距離を測定することができるレーザ測距計に注目し、開発を行なっている。

測定方法

レーザ測距計は本来、直線上の距離を測定することを目的として作られているため、下水道管内のような円管の内側断面を全周にわたって測定することは出来ない。そこで、図1(a)に示すように鏡を用いてレーザ光の光路を90°屈折させ、さらに図1(b)に示すように鏡を回転させることによって360°全周にわたる測定を可能にした。また、この方法であれば回転鏡を高速で回転させることで、レーザ光の非常に高速な特性と併せて一断面を高速に測定することが出来る。


図1 測定方法


測定装置

図2に現在開発中の断面形状測定装置の外観を示す。

断面形状測定装置

図2 断面形状測定装置

ロボットの諸元は表1に示す通りで、外形寸法は下水道管内に装置を入れる際に支障がないように考えられている。


表1 断面測定装置諸元
外形寸法480×140×130~280(長さ×高さ×幅)
※幅は管内径によって変化
測定速度0.01〔sec/断面〕
測定分解能0.07〔mm〕
対応管内径150~300〔mm〕

レーザ測距計をこの断面形状測定装置に組み込むにあたって問題となったのがレーザ測距計の測定範囲である。レーザ測距計は基準距離に対してある程度の幅を持った範囲でしか、測定することが出来ない。そのため、回転鏡とレーザ測距計の間隔を断面形状測定装置の内部で適当に取らなければ、目標とする管径に測定範囲を合わせることが出来ない。また、断面形状測定装置の大きさは下水道管内に入れることを考えてある程度制限されるため、限られた大きさの中で適切な光路長を設定する必要がある。そこで、図3に示すようにレーザ光を折り返すための反射鏡を設置した構造を考案した。この方法ならば、レーザ測距計と回転鏡の両方を固定したまま光路を設定することが可能で、またレーザ光を折り返すことによって装置全長をコンパクトに収めることが出来る。

レーザ測定部の構成

図3 レーザ光の光路



上記の断面形状測定装置によって測定した一例を図4に示す。測定して得られたデータはリアルタイムでPCに送信され、この断面形状測定装置と併せて開発した専用ソフトによって作業者が見やすい形で描写される。このソフトウェアは、リアルタイムで測定結果を観察することが出来るため、現場での運用において作業者が理解しやすく、簡単に管内の形状を知ることが出来ると考えている。


測定結果イメージ

図4 断面形状測定装置による測定結果